勘違いして起業したコピーライター


勘違いして4年で電通を辞めたらエラい目にあった、俺死ね!


コピーライター 西島知宏id:t_nishijima のコラムを読んだ感想文。
サスガコピーライターなんか胸に刺さること書いてある。

理由があるわけではなかった。ただ。

29歳で独立する。

それだけは自分の頭の中に、漠然とあった。

「29歳で独立すると決めたから独立できた。目標を立てるのに理由は要らない考えるのではなく感じるのだ」

電通最後の日の、翌日から仕事を始めた。

仕事と言っても仕事があるわけではなかった。「おぅ、何かお願いするわ!」そう言ってくれた人たちから電話がかかってくることは、その後もなかった。

これから独立する人は、仕事を持って出たりしない限り、これだけは覚えておいた方がいいと思う。

自分が期待している10%くらいしか仕事は来ないぜ

「これは違うと思う。あるいは西島さんの期待が小さいのか?

期待している0.3%くらいしか仕事はこない。」

いま思えば当然だが、半端者に仕事を出すほど社会は甘くない。広告賞を1個や2個獲ったくらいで勘違いしてしまうバカがいるとしたら(9年前の自分)、ハリセンで殴りながらこうアドバイスするだろう。

いまいる会社で上位1%の優秀な人間になってから辞めた方がいいぜ

「これは全く同意できない。

電通の上位1%になってから独立するなら永遠に独立の機会は訪れない。

また電通で上位1%に入れたら、そのまま電通にいたほうが多分幸せ。

しかも、電通という大看板をしょって上位1%に入ったからといって独立後に必要なスキルが身についているとは限らない

戦う条件が変われば、勝つために必要なスキルも変わる。

そして大企業での実績ほど独立後、当てにならないものはない。

起業するタイミングは後悔しないように自分で決めるしかない。」

貯金がみるみる減っていって「これ本気でヤバイかも」と思った時、仕事をくれたのは博報堂だった。結局、実制作にはつながらなかったけど、プレゼン費をもらえた。「はじめてのおこづかい」、僕は鼻を垂らしながら喜んだ。通帳に印字された「はじめての対価」のインクのあの感じを、僕は忘れないと思う。

もう一つ。これから独立する人に言っておきたいのは

仕事が始まってから銀行口座にお金が入金されるまで5ヶ月はかかるぜ

「これも全く同意できない。

仕事が始まってから銀行口座にお金が入金されるまで3年かかることもある。

そうかと思えば、仕事が始まってすぐに入金されることもある。

なんとかなるもんだし、どうにもならないなら、どうにでもなれと開き直るしかない。

そして、どうにもならなくても、なんとかなるだろうという根拠のない自信を持てる図太さがないと起業はしんどい。

ということだ。広告の仕事自体オリエンから納品まで平均3ヶ月、納品月の末日締めだから猶予が数週間、末締めの翌月払いだとしてプラス1ヶ月で計5ヶ月。得意先の支払いサイトによっては6ヶ月7ヶ月かかることもある。その間、無一文状態で持ちこたえられる資金を保持していないとヤバい事態に陥る。だから、できるだけ辞める前に有休も使って助走しておいた方がいい。調子にのって南青山に事務所、恵比寿に自宅を構えた9年間の自分に、本気でタライを落としたい。

「ここに今も生き残っている秘訣を見た気がする。

仕事もないのに南青山に事務所、恵比寿に自宅を構えた能天気さは賞賛に値する。

会社を辞めた2007年から1年間、頑張った。「仕事選んじゃいますから!」辞める時に持っていた、そんな勘違いワードはとっくに頭から消えていた。ずっと頭の中にあったのは「あれ、俺なんで辞めたんだっけ?」という自問の言葉だった。辛かった。

2008年4月。1年間の寂しさから、新しい仲間を8人入れた。1年間頑張って、お金もそこそこ入っていたから調子に乗ったのだ。乗りすぎたのだ。9年前の自分に会えるとしたら、カラシスプレーを顔に吹き付けたい。そして、これから独立する人に言っておきたいのは

社員一人雇うと給料の3倍くらいお金が必要だぜ

ということだ。給料に加え、社会保険の会社負担金、交通費、家賃、デスク、パソコン、電気代、水道代、複合機のリース代、事務費用、経理費用など。額面30万円の社員を一人雇うだけで100万円くらいのお金が毎月必要になる。仮に利益率が30%のビジネスだとしたら毎月330万円の売上が必要になってしまう。うちの場合は8人雇ってしまったからまさに爆死だった。俺死ね!

「ブラボー!

仕事もないのに南青山に事務所、恵比寿に自宅を構えた能天気さは賞賛に値する。

さらに、1年しか会社を回していないカツカツの状態で8人の社員を雇う!

切り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ 

踏みこみ見れば、後は極楽

無茶をしたいなら、とことん無茶をして腹をくくる。

この大胆さがなければ起業してもつまらない。

暮らしていくだけなら大企業に勤めたままのほうがいいですからね。

読んでいて楽しくなって来ました。

でも何とかこうして、今生きている。生かされている。

9年間、会社をやってきて思うことは

世の中はなんとかなるし、なんともならない

ということだ。資金が100万足りなくて倒産する会社もあれば、運が坂に落としたおむすびのようにコロコロ転がって確変状態になることもある。もちろん努力や実力もあるだろう。でも、結局「運」が大きいような気がするのだ。実力があるのに運のない人をたくさん見てきたし、自分も運だけでやってこれた気がするから。

「御意

助からないと思っても助かっている。」

最後に。最近、もの凄く、強く思うことがある。

誰もがたった一人の人間でさえ、なかなか幸せにできない。

ということだ。「世の中をハッピーにできる」と言っている人がいたら、その人はきっと神様だ。BASEには、今まで20人くらいの人が入社して、去っていった。すべてが円満退社ではなかったし、すべての人が幸せではなかったと思う。「あなたは、あなたのスタッフを幸せにしましたか?」と、金の斧と銀の斧を持った女神に問いただされたら、私は汚い斧を指差しながら、おしっこを漏らすだろう。

家族だってそうだ。仕事に生き、家族との時間を作らなかった男の定年を、家族はスタンディングオベーションで迎えてくれるだろうか。

人はいつ死ぬか、わからない。明日死ぬかもしれない。

できることは、限られている。じゃあ、いつやるか? 今でしょう。

株式会社BASEは今日、10年目を迎えました。

「誰もがたった一人の人間でさえ、なかなか幸せにできない。

まずは鏡に映っている男を幸せにしてみよう。」

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